脊髄反射公的目録
tumblroo0
アーカイヴ

2014-10-25

眼前の乳房と手元の小説

少年がいる.年は15くらい.彼は何かの本を読んでいる.そこへどこからやってきたのか女が近づき乳房をちらつかせる. 少年は女の乳房を視界の端にとらえたが,本を読むことをつらぬき通すことを選ぶ. しかし,女は少年が耐えているのを知っている.欲望を抑えこもうとしているのを知っている. 彼は頑なに本に目を奪われているふりをしている.そのままふりをし続けていると,いつの間にか本当に本にのめり込んでしまう. 少年はふと顔を上げた.だが,女はもういない.

私は眼前の乳房に手をのばすべきだった.挑発をきちんと受け止めるべきだった.しかし眼前に乳房をちらつかせる女はもういない. 二度と私の前に現れることはない.きっとあの女は今も,15くらいの本を読んでいる少年の前にふと現れ,乳房をちらつかせる.そして,どちらかを選ばせる. 手を伸ばすのか,伸ばさないのか.女は試している.

ふぁぼ
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